これであんしん!記念日遺言


鉄則1. 元気で健康な今こそ書くべし

 遺言を残すのに「遅すぎる」ことはあっても「早すぎる」ことはありません。
病気などで判断能力が十分ではない状態になってしまうともはや遺言を残すチャンスはなくなってしまうのです。また、そのような状態で遺言を残しても遺言の信憑性を疑われてせっかく残した遺言が「争族」の種になりかねません。
 「遅すぎる」悲劇はあっても「早すぎる」悲劇はないのです。今まさにこのホームページをご覧になっているときがあなたが遺言を残すチャンスなのです。
 毎日のニュースでは不測の事件や事故が報道されています。事件や事故に巻き込まれないように自己防衛することが第一ですが、残念ながら防ぎきれないこともあります。
 遺言は、いざというときのあなたの大切な人を守る「危機管理の武器」の一つです。この「危機管理の武器」を活用するかしないかはあなた次第です。

鉄則2. 遺言は迷うより後から直すべし
 
 あなたは「遺言は一度書いたら書き直すことができない。」と思い込んではいませんか? 実は、遺言は何度でも書き直すことができるのです。
 例えば「妻に3分の2、子供に3分の1」など今はっきりしていることだけでも結構ですから遺言を残しておきましょう。そして、時間があるときに不動産や預貯金など個々の財産について調べて詳細な遺言を残して前に書いた遺言は破棄すればよいのです。
 また、遺言を残したあとに状況が変わることも多々あります。その場合も新たに書き残して前の遺言は破棄すればよいのです。

鉄則3. 遺言は自分がどうしたいのかを書くべし

 遺言は法律で許されている範囲であなたの財産をあなたの大切な人に思うとおりに残すことができます。ですからご自分が「どうしたいのか」が最優先されるのです。
 よく、遺言を残す前に残したい人に相談される方がいますが、相談したことによって混乱してしまって結局残せずじまいという方も多数見受けられます。
 ケースによっては、事前に残したい人に相談することも有効ですが、基本的にはご自分の考えを優先しましょう。
 ご自分の判断に迷いがある場合は、行政書士などの法律専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

鉄則4. 遺言は「争族」防止の最強の武器と心得るべし

 「法律は平等にできているから法定相続で大丈夫だ。」とお考えではありませんか? 残念ながら相続に関していえば法定相続とおりだと「不平等」が発生するケースがほとんどなのです。あなたご自身のケースをお考え下さい。法定相続とおりに財産が分割されて「不平等」は起きないと断言できますか?
 遺言は個々の実情に応じてご自分の財産を遺言は法律で許されている範囲で思いとおりに残すことができる唯一の武器です。つまり「法に優先」することができるのです。
 特に、次に該当する方は相続で「不平等」が起きて「争族」が勃発する危険度が極めて高いケースです。「遺言を必ず残す義務がある方」といっても過言ではありません。

ケース1:子供や親がいないご夫婦で、財産のすべてを配偶者(夫、妻)に遺したい場合

 子供や親がいないご夫婦の場合、配偶者が亡くなると、配偶者に4分の3、被相続人の兄弟姉妹に4分の1の法定相続が発生します。つまり残された配偶者には全て財産が残されないのです。この場合、配偶者の兄弟姉妹とは音信普通の場合がほとんどのため残された配偶者は遺産分割協議に精神的、肉体的に多大な労力を要してしまします。
 配偶者にすべて財産を残したい場合は、遺言で「すべての財産を妻(夫)に相続させる。」という遺言を必ず残しましょう。

ケース2:再婚して前の配偶者との間に子供がいる場合

 あなたが再婚して前の配偶者との間に子供がいる場合、前の配偶者は相続人ではありませんがその子供はあなたの相続人です。前の配偶者との間の子供はあなたに対して複雑な気持ちを持っていると思います。もし、相続が開始した場合、その複雑な気持ちが一気に噴出して「争族」が勃発する可能性は極めて高いと考えられます。
「争族」が発生しないような財産の残し方を考えて遺言を残すのはあなたの義務であると考えます。
 
ケース3:教育費や持参金などで子供間でかけた費用や、同居している子供がいるなど子供間で「格差」を生じている場合

 「兄弟は他人の始まり。」という言葉はまさに相続において露骨に当てはまります。独立するまでは仲が良かった兄弟でも、就職や結婚して独立すると当然に兄弟の間で財産の格差や家庭環境も違ってきて以前のように気持ちが通わないことも多いのです。
  そのような状況で相続が発生すると今までのうっせきが堰を切ったように噴出することが多いのです。
  このように、子供にかけた教育費や持参金などの費用や同居や介護などの負担が大きく異なる場合は、遺言で「争族」が起きないように配慮して財産を残すことが必要です。
 また、ここ最近は子供の夫や妻などの相続には関係のない「外野」が口を挟んで、「争族」に拍車をかけるケースが多く見受けられます。「外野」に出しゃばらせないためにも遺言は極めて有効です。

ケース4:長男の嫁や孫、内縁関係の方など、相続人ではない人に財産を残したい場合

 「孫は目に入れても痛くない。」などといわれるように自分の子供以上にかわいいものです。しかし、残念ながら孫は相続人ではないので法定相続は0円です。同様に内縁関係の方も長年夫婦同前の生活を過ごしても相続人ではないので法定相続は0円です。 逆に、事実上離婚状態でも入籍してさえいれば配偶者として2分の1の法定相続があります。
 孫や内縁関係の方など「相続人ではない人」に財産を残したい場合は、遺言を残すしか方法はありません。

ケース5:同族会社の後継者を指定し、会社の株式を後継者に残したい場合

 同族会社の場合、代表取締役のあなたが株式のほとんどを取得していると思います。その場合、相続が発生するとあなたが保有している株式も相続財産の対象となります。
 法定相続のとおりに株式が分割されてしまうと後継者として指名した子供が事業を運営するのに支障が出てしまうケースがほとんどではないでしょうか。もし、「私の子供に限っては争うようなことはない。」などとお考えでしたら失礼ですが自分の子供を買いかぶっているとお考え下さい。
 もし、長男などが現在跡取りとしてあなたの事業を助けている場合は、あなたが保有している株式が長男に相続される内容の遺言を残してあげるのが後継者を指名する者の義務です。

ケース6:財産のほとんどが不動産である場合

 財産のほとんどが不動産の場合、法定相続とおりに財産が分割されてしますと不動産を売却して遺産分割をしなければならないなど不都合が生じるケースが発生します。
 あなたの財産のほとんどが不動産の場合は、あなたが亡くなったあとでもその不動産にお住まいになる配偶者や同居している子供などが引き続き住むことができるように配慮した遺言を残してあげるべきでしょう。
 
鉄則5. 法律専門家に相談すべし
   
 遺言はあなたの財産をあなたの思うとおりに残すことができる極めて有効な手段です。 しかし、そのためには法的に有効な遺言書を残すことが前提なのです。
 ご自分で遺言書を書いた場合は、是非行政書士などの法律専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。そこで問題がなければ安心できますし、法的に問題がある場合は改めて書き直すことが必要です。「法的に不備な遺言」は「争族」の火種になりかねません。
 また、「書こう書こうと思いつつなかなか書けない。」という方も法律専門家に相談してみてはいかがでしょうか。法律専門家のアドバイスで法的に完備された遺言書が早くできるはずです。



(C)2005 行政書士 竹内豊 Yutaka Takeuchi
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