自筆証書遺言を作成する上での注意点:その2
その2「用紙・筆記具」について
用紙・筆記具についても制限はありません。ですから、木板、石板、ガラス、布、メモ用紙などに書かれたものも差支えありません。しかし通常は、和紙や洋紙が用いられているのはご存知のとおりです。
筆記具は、ボールペン、サインペン、筆、万年筆のいずれでも構いません。鉛筆でも構いませんが、擦り切れたり、改ざんされるおそれがありますので避けましょう。
その2「用紙・筆記具」について
用紙・筆記具についても制限はありません。ですから、木板、石板、ガラス、布、メモ用紙などに書かれたものも差支えありません。しかし通常は、和紙や洋紙が用いられているのはご存知のとおりです。
筆記具は、ボールペン、サインペン、筆、万年筆のいずれでも構いません。鉛筆でも構いませんが、擦り切れたり、改ざんされるおそれがありますので避けましょう。
これから6回にわたり自筆証書遺言を作成する注意点についてお話しします。「意外」なこともありますから是非お読み下さい。
その1「用字・用語」について
自筆証書遺言を作成するときの「用字・用語」については制限がありません。ですから用字は、かな・漢字はもちろんのこと、速記文字・点字でもかまいません。
用語は、法律用語でなくても構いません。外国語でもよいのです。
でも、もし外国語で書かれている遺言書を見つけても翻訳しなければ相続人も理解できないでしょう。法律で許されていても、あまり「例外」はなさらない方が無難です。
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「遺言者が、遺言書に押印すること。」
押印は、氏名の自書と同じ理由で、遺言者の同一性と遺言者の意思を確認するために要求されています。
よく「押印は、印鑑証明のある実印でなければなりませんか?」というご質問を受けますが、実印に限らず認印でも結構です。
しかし、私は実印をお勧めしています。理由は実印の方がより遺言者が遺言を作成する意思であったことを担保する役目を果たすと考えるからです。
また、判例では「拇印」でも有効とされていますが、後の争いの種となる可能性があるのでやめた方が無難です。
「遺言者が、氏名を自書すること。」
氏名の自書は、遺言者の同一性と、遺言が遺言者の意思によるものであることを明確にするために要求されています。したがって、氏名が明記されていない遺言書又は氏名を他人が書いた遺言書は無効です。
遺言者本人と広く世間に知られているペンネームや雅号・芸名・屋号・通称などを用いてもかまいません。しかし、通常は戸籍上の氏名が用いられます。
「遺言者が、日付を自書すること。」
日付が要求されているのは、遺言の成立時期を明らかにし、遺言者が本当に自分の意思で書いたものかどうかを判断するためと、もし、内容の異なる複数の遺言書が出てきた場合にその前後を決定し撤回の有無の判定などのためです。従いまして、日付のない遺言は無効です。また、日付は自書しなければなりませんから日付印を用いたものも無効とされます。
日付は遺言成立の日が確定できれば十分です。例えば、「私の○歳の誕生日」、「○回目の結婚記念日」という記載でもかまいません。しかし、通常は「平成17年6月11日」というように「年、月、日」で表します。無用な争いを避けるためにも「年、月、日」で日付を記載することをお勧めします。
「遺言者が、遺言の全文を自書すること。」
民法が遺言書の全文を遺言者が自分で書くことを要求しているのは、遺言者の真意を判定するためと、遺言書の加除変更の危険を防止するためです。手で書くことができない人は口、腕、足で書いてもよいです。
もし、自書の真偽が争われた場合は、筆跡鑑定を基本とし、遺言者の自筆能力、遺言の内容、その他の事情など諸般の状況証拠を考慮して判断されます。
従いまして、遺言者の健康状態が思わしくなく判断能力が乏しい状況で書かれた自筆証書遺言は「本当に自分の判断で書いたものだろうか?」と疑われて争いの種になる場合があります。「遺言は元気なうちに残す」ことが大事なのです。
以上から次のような自筆証書遺言は無効とされています。
(1)タイプライターやワープロ、パソコンなど「機器を用いた場合」
(2)テープレコーダーで吹き込んだ遺言
(3)他人が代書した遺言
次回は遺言書の「日付」についてお話しします。
自筆証書遺言とは、遺言を残す人(遺言者)が遺言書の全文、日付及び氏名を自分で書き、自分で印を押して作成する遺言です。(民法968条第1項)
「な〜んだ、簡単だ!」と感じたと思いますが、結構どれかが欠けている遺言書が多いのが実態です。
もう少しわかりやすくまとめてみましょう。
「自筆証書遺言の作成要件」
(1)遺言者が、遺言の全文を自書すること。
(2)遺言者が、日付を自書すること。
(3)遺言者が、氏名を自書すること。
(4)遺言者が、遺言書に押印すること。
以上の(1)〜(4)のうち1つでも欠けていたらその遺言書は無効です。せっかく残しても、ただの紙切れ同前になってしまいます。
次回からは(1)〜(4)について個別に検討していきます。
前回、花田家についてちょっと触れましたが、今回も報道されていることで気になることがあるので取り上げます。
マスコミは、「親方の録音テープが残されている。」と報道しています。では、肉声で録音された遺言は法的に有効でしょうか?答えは、残念ながら無効です。
遺言は、民法で方式が厳格に決められています。決められたことを一つでもしていないとせっかく残しても無効になってしまいます。
民法では遺言の7つの方式が定められています。普通方式として(1)自筆証書遺言(2)公正証書遺言(3)秘密証書遺言、特別の方式として(4)死亡危急者遺言(5)伝染病隔離者遺言(6)在船者遺言(7)在船遭難者遺言、があります。
これら7つの何れにも録音テープによる遺言は認められていません。
また一般的には、「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の2つがよく使われる方式です。
次回は、自分で書いて残す遺言書「自筆証書遺言」について検討してみます。
このブログは遺言・相続を中心に、家族に関する法律を身近な話題を織り交ぜながら書いていきます。「これを読めば家族を守れる!」をモットーに続けていきますのでよろしくお願いします。
タイトルにもなっている「記念日遺言」は、人生の記念日に作成/更新する遺言書のことで、遺言書をもっと身近に感じていただくために私が作った造語です。
「記念日遺言」のホームページも現在準備中で、間もなく開設予定です。
さて、今相撲界の「花田家」がマスコミをにぎわせています。「相続」をめぐる話も出ているようです。「花田家」のことはさておき、マスコミ報道で気になることがありました。あるリポーターが「亡くなった親方は『遺書』を残しているようです。」と言っているのです。正しくは『遺書(いしょ)』ではなく『遺言(ゆいごん)』です。
「遺書」は自殺など死を意識した人が残すものであるのに対して、「遺言」は自分の財産を亡くなった後でも自分の思う人(団体)にどれだけ残すかを書き記したものです。ですから親方がご自分の財産に関して残している書類があるとしたら、「遺言」であって決して「遺書」ではないのです。これは大変な誤りです。
民法第7章には「遺言」はあっても「遺書」とは書かれていません。また、ニュースや新聞など意識して見てください。然るべき報道機関であればちゃんと「遺言」と「遺書」は使い分けています。
「遺言」と「遺書」に限らず、言葉は正確に使いたいですね。