遺言の無効〜その2
前回に引き続き、遺言の無効についてお話しします。
「(3)遺言をするときにおいてその能力を有しない者がした遺言(民法963条)」が無効とは、自分の行為の結果を判断できない精神能力の者がした遺言は無効になることを意味します。
以下に判例を紹介します。
(1)公証人が重病の遺言者に話しかけ、遺言者が「単に肯定又は否定の挙動をした」に過ぎないときは、口授があったものとはいえない、とした事例。
(2)脳溢血後遺症の脳動脈硬化症のため、「中程度の人格水準以下と痴呆がみられ、是非善悪判断能力並びに事理弁識能力に著しい障害」があり、遺言に必要な精神能力を欠く、とした事例。
精神的・肉体的に不安定な状態で作成された遺言書は「争族」の種になりかねません。遺言は、精神的・肉体的に健康な状態のときに作成することが肝心です。