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2007年06月15日

無効な遺言書

Q 遺言書を遺しても遺言書が無効になってしまうことがあると聞きました。本当ですか?


A 意思能力のない者がした遺言、満15歳未満の者がした遺言は当然に無効になります(民法961条、963条)。また、遺言の要式性(ようしきせい)に反する遺言も無効です(民法960条)。
「意思能力のない者がした遺言」とは、例えば痴呆の症状が進行していて自分の考えが正確に発することができない状態で遺言が残された場合が該当します。一般に高齢者が残す場合に多く見受けられます。
遺言の要式性に反する遺言とは、例えば自筆証書遺言で日付や印が欠けている遺言書などが該当します。このように遺言を残しても「遺言無効確認の訴え」が起こされる場合もあります。遺言は「元気なうちに残す」ことは最も大切なことなのです。

2007年06月01日

特別コラム「昨今の遺言事情」

今回は、遺言について私が日頃思っていることを書きたいと思います。  

私は現在41歳です。最近よく同年代の友人から「どうしたら親に遺言を書いてもらえるだろうか?」という相談が寄せられています。
友人の言い分は『今両親と同居している。もちろん最後まで面倒を見るつもりである。今は元気だがいずれは介護が必要になるだろう。そうなれば妻や子供の協力は絶対に必要になるし バリヤフリーの改築費や入院費などお金もかかるであろう。長男の自分としては親の面倒を見ることは当然だろうが、もし親が亡くなった時に妹や弟と同じ相続の割合であるということは正直釈然としない。ましてや介護の中心を担う妻の相続はゼロであることは納得しがたい。そこで両親に実情に合った内容の遺言書を残して欲しいのだがなかなか話しにくい。』ということです。

このような悩みを抱えている40代・50代の方は多いのではないでしょうか。友人の言うとおり、両親の介護をした子供としなかった子供も法定相続では相続できる割合は同じです。「法定相続が理不尽である」とよくいわれるのはこのようなことがあるからです。

「子供たちはもし私が亡くなってもちゃんと話合いで遺産を分けられるから遺言書なんて必要ないですよ。」とか「遺すほどの財産はないから遺言書は必要ないですよ。」と多くの高齢者の方はおっしゃいます。
しかし仲良しな子供たちも親が亡くなった途端に封じ込められていた不満が一気に噴出して修復しがたい亀裂が生じてしまうことが実は多いのです。「長男はいつも新品の洋服を買ってもらっていたのに二男の自分はお古ばかりだった。」、「お姉さんは結婚式の時に親からお金をたくさん出してもらったのに私はお姉さんの半分も出してもらえなかった。」など他人から見れば些細な ことから大きな亀裂に発展してしまうことも珍しくありません。また、相続は遺産の多い少ないよりも「分ける割合」で揉めることが多いのです。
  
私は友人宅に伺ってご両親と友人夫婦に相続と遺言書の効果についてご説明差し上げました。ご両親は、一度遺言書を残したら二度と変更できないと思っていたなど「誤解」もありました。  

それから3ヵ月後、ご両親は長男に家と土地を残し現金は長男の嫁と子供たちで平等に分ける内容の公正証書遺言を残しました。遺言書を作成するに当たって親子で話し合う機会もできて よかったともおっしゃっていました。

考えた時が残し時です。
遺言書をお考えでしたら今年こそ残されてみてはいかがでしょうか。